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フォコメリア確認日本でも、梶井正博士(北大小児科講師)

 2016/08/15 日本の薬害・公害
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梶井正博士は、サリドマイド事件当時、北海道大学医学部小児科講師であった。その後海外に転じ、スイス・ジュネーブ大学助教授やニューヨーク州立大学小児科准教授などを経て、山口大学医学部小児科教授となる。日本のサリドマイド裁判では、ジュネーブから一時帰国して出廷している。(1993年退官・名誉教授、2016年2月死去・享年85歳)

サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし
そして、上記まとめ記事から各詳細ページにリンクを張っています。
このページも詳細ページの一つです。(現在の詳細ページ数、20数ページ)

梶井正講師、ランセット投稿論文脱稿(1962年6月末)

梶井論文の趣旨は、「札幌市で特異な奇形を伴う自験例を7例持っている。そのうち5例は母親がサリドマイドを服用しており、同薬との因果関係が疑われる」というものであった。(1962年7月21日発行)

論文投稿後、梶井はその事実を説明するため、北海道庁衛生部(係長応対)と大日本製薬株式会社(札幌支店長応対)を訪問している。しかし、両者とも全く何の措置を取ることもなかった。

日本にも睡眠薬の脅威、読売新聞スクープ(1962/08/28)

梶井はその後、北海道の小児科学会地方会において発表を行った。内容は、Lancet掲載論文と同じく7症例についてのものであった。これに対して、翌日、読売新聞記者の訪問を受ける。これが、さらにその次の日の読売新聞スクープとなった。

「奇形児7例のうち5人の母親が服用:札幌市内7か所の病院で最近10か月間に生まれた奇形児7例のうち5例まで母親がサリドマイドを飲んでいた」

梶井発表(8月26日)を伝える記事である。こうして、日本にもサリドマイド児が存在することが初めて新聞で取り上げられた。朝日のスクープ「自主的に出荷中止」(5月17日)から、さらに3か月後のことである。

同新聞記事には、厚生省製薬課の技官の話として、次のようなコメントが載っている。「(前略)サリドマイド系の取り扱いについては東京女子医大と京都大学に動物実験を依頼しているので、これらの結論をまって慎重にきめる」。小山良修教授(東京女子医大、薬理学)と西村秀雄教授(京都大学医学部、解剖学)の二人のことである。

また、同新聞記事では「母親たちは妊娠初期の苦痛からのがれるためほとんどが町の薬局で買い求めていた」としている。

少なくとも日本では、サリドマイド製剤は”つわり”にもよく効く、として日常的に服用されていたものと思われる。サリドマイド裁判の証言(元大日本製薬企画室長)でも、「つわりも適応症だとパンフレットに書いていた」という。(川俣2010,p.178)

遅かった回収決定、進まぬ回収作業

読売新聞スクープの翌月9月13日になって、大日本製薬(株)はようやく販売を中止して、製品の回収に踏み切った。動物実験の結果を待っている場合ではなかった。この時既に、レンツ警告が出てから1年近く(約10か月)が経過していた。

ところが、その後の回収作業自体も順調には進まなかった。川俣(2010,年表p.533)は、「(9月13日)生盛化学を除くサリドマイド剤、販売停止とするが不完全で以後も各地で販売は継続された」としている。

つまり、サリドマイド製剤(5社)の回収措置は十分ではなく、薬局の店頭でその後も自由に入手できた。そのため、例えば北海道庁からは、同年末(12月20日)になって回収をうながす通達が改めて出されたほどであった。ところで、なぜ生盛化学が販売停止の対象から除外されているのか、私には何も分からない。注:生盛化学は、正しくはセイセー薬品工業(株)。

サリドマイド事件全般についてのまとめ

サリドマイド事件全般について、以下で概要をまとめています。
サリドマイド事件のあらまし
そして、上記まとめ記事から各詳細ページにリンクを張っています。
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