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細見谷大規模林道工事とは

 2016/10/08 西中国山地(細見谷など)
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細見谷大規模林道工事とは、十方山・細見谷にある「既存」(未舗装)の十方山林道(細見谷林道)を、「緑資源」幹線林道事業(旧・大規模林業圏開発林道事業)に組み込んで、拡幅舗装化(一部舗装化のみ、一部新設)しようとするものです。

“十方山林道の大規模林道化工事”[二軒小屋(戸河内側)~吉和西(吉和側)間]のことであり、工事区間の正式名称は、「緑資源」幹線林道大朝・鹿野線戸河内~吉和区間(二軒小屋・吉和西”工事”区間)と言います。(計画延長13.2km)

注:本稿は、山本明正著『細見谷渓畔林と十方山林道』自費出版(2007年)を電子書籍化する準備のために加筆修正しているものです。したがって、その背景は2007年当時のままとなっています。

全国7つの林業圏域と大規模林道

1973年(昭和48)、森林開発公団(後の「緑資源」機構、2007年度末で廃止)は、林業の振興等を目的として全国に7つの林業圏域を設定しました。

すなわち、北海道山地(北海道)、北上山地(青森県・岩手県)、最上・会津山地(山形県・福島県)、飛騨山地(富山県・岐阜県)、中国山地(中国5県)、四国西南山地(愛媛県・高知県)、及び祖母・椎葉・五木山地(大分県・宮崎県・熊本県)の7つです。(下図:緑資源機構ホームページより、省略)

大規模林道(後の緑資源幹線林道)とは、これらの林業圏域において、林道網の中核として位置付けられた大規模な林道のことを言います。こうした大規模林道は、全国に32路線(29路線、3支線)あります。

中国山地と大朝・鹿野線

全国7つの林業圏域の一つである「中国山地」の幹線林道には、山陰ルート(鳥取県、島根県、山口県)と山陽ルート(岡山県美作市~広島県北部~山口県下関市)の二つのルートがあります。

「大朝・鹿野線」は、「山陽ルート」の一部であり、全国32路線の中の一つです。

広島県北西部に位置する北広島町(旧芸北町)、安芸太田町(旧戸河内町)、廿日市市(旧吉和村)から山口県北部の岩国市(旧錦町、旧美和町、旧本郷村)、周南市(旧鹿野町)の各市町を貫く計画となっています。

戸河内・吉和〈区間〉について

戸河内・吉和〈区間〉は、「大朝・鹿野線」をいくつかに分けた区間の中の一つです。

広島県北部の山県郡安芸太田町内の国道191号と接する地点、すなわち小板(城根・じょうね)を起点として、二軒小屋から林道十方山線に入り、吉和地域内で国道488号と接する地点(吉和西)を終点とする計画延長24.3㎞の区間です。

戸河内・吉和〈区間〉は、さらに二つの〈工事〉区間に分かれます。城根・二軒小屋工事区間(計画延長11.1 km)と二軒小屋・吉和西工事区間(計画延長13.2km)です。

城根・二軒小屋工事区間は、国道191号線の安芸太田町(旧・戸河内町)小板城根から、三段峡(餅の木)を経て二軒小屋までの工事区間です。1990年9月(平成2)着工、2004年12月(平成16)既に完成しています。

二軒小屋・吉和西〈工事〉区間について

二軒小屋・吉和西工事区間は、二軒小屋から林道十方山線に入り、吉和地域内で国道488号と接する地点(吉和西)を終点とする工事区間です。つまり、既設の十方山林道を拡幅舗装化する工事区間のことです。一部直線的な道路を新設するため、計画延長は従来よりも少し短くなっています。

工事区間のより細かい区分(4区分)については、以下のとおりです。

1)拡幅部分:3.8㎞
二軒小屋~水越峠の先
全幅員5.0m(車道幅員4.0m)
舗装幅を5mとし、既設林道を極力利用する線形とする。

2)渓畔林部分:4.6㎞
細見谷川沿い、水越峠の先~下山橋~ワサビ田~カネヤン原
現道を利用(車道幅員3.0m)
渓畔林部分の林道は、舗装幅を3mとして既設林道の拡幅は行わず、林道沿いの大径木を伐採することはない。(なお、ごく一部未舗装のままで敷砂利とする)

3)新設部分:1.1㎞
七曲り部分を避けてショートカット、カネヤン原~2号橋
全幅員4.0m(道路幅員3.0m)
舗装幅を5mから4mに見直し、路線の線形を検討し、大径木の保全等に留意する。

4)拡幅部分:3.7㎞
2号橋~押ヶ峠~吉和西
全幅員4.0m(道路幅員3.0m)
舗装幅を5mから4mに見直し、既設林道を極力利用する線形とし、森林の改変を最小限にとどめる。

二軒小屋・吉和西工事区間は、2006年11月(平成18)に着手されたばかりです。つまり、戸河内・吉和〈区間〉には、すでに完成した城根・二軒小屋〈工事区間〉と、未完成の二軒小屋・吉和西〈工事区間〉の二つの〈工事区間〉があることになります。

そしてこの場合、現在着手中の〈工事区間〉を含む戸河内・吉和〈区間〉は、未完成の〈区間〉として取り扱われます。なぜならば、工事の最小単位は、〈工事区間〉ごとではなく〈区間〉ごととされているからです。

注:このページは、電子書籍『細見谷渓畔林と十方山林道』アマゾンKindle版(2017年3月6日)の一部です。

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