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コラルジル中毒症

 2017/02/12 日本の薬害・公害
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ある医薬情報担当者の半生
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2015年4月19日(初版発行)
2016年4月6日(第2版発行)

コラルジル中毒症とは

コラルジル中毒症とは、冠血管拡張剤(狭心症の薬)コラルジルを服用することによって、肝臓障害(及び血液の異常)をきたす患者が多数発生した薬害事件のことをいう。その症状は服薬中止後も回復しにくく、「半年~1年後に肝硬変のために死亡する人が多数いた(浜六郎1,p.36)」という。

コラルジル中毒症は内臓疾患である。外観だけでは異常があるかどうか分からないことが多い。その点、サリドマイド、スモンなどとは異なっている。

また、コラルジル服用患者は心臓病(狭心症など)を持っており、基礎疾患による死亡率は健常人より高かったと考えられる。したがって、コラルジル服用と有害事象との関係を正確に把握するためには、服用患者の実態調査が必須である。

しかしながら、実際には調査はほとんど行われなかった。実際の患者数がどの程度あったかは今となっては闇の中である。浜六郎1,pp.35-36は、「被害者数は数万人、死亡者数は数百人以上」としている。

裁判で争われたケースも少ないようである。浜六郎1,p.35によれば、「(新潟県の)患者およびその遺族ら22家族(36人)が総額4億3700万円の損害賠償請求訴訟を起こした。東京でも1972年11月に7人の遺族と患者2人が提訴」している。

新潟大学第三内科の新聞発表

コラルジルの副作用について、新潟大学第三内科の若手医師グループが新聞発表をしたのは、1970年11月27日(昭和45)のことであった。(前日の26日に記者会見)。

その年の春、私は新入社員として新潟県に配属され、夏ごろから大学を担当していた。その私に、コラルジル定量法について、同医師グループからレクチャーの依頼があった。裁判になった時の基礎知識として知っておきたいという趣旨だったように記憶している。

学生時代のノートをひっくり返しながら、コラルジルに含まれる塩素をターゲットにした定量法(逆滴定)について、簡単に図式化したものを作成したことを覚えている。

その時参考として渡された、コラルジル定量法の資料(コピー)が残っていた。昔の湿式コピーであり、字は鮮明には読めない。定量法などすっかり忘れ去っており、読み間違いがあるかもしれないが以下に記しておくこととする。

コラルジル錠 試験規格・定量法(鳥居薬品株式会社)

本品10錠(1錠中コラルジル25mg含有)をとり、着色糖衣錠を溶かして除く等の処置を施す(具体的手順は省略)。コラルジル約100mgに対応する量を精密に量り、若干の処理(省略)をした後、正確に0.1N硝酸銀液6mlを加え、さらに希硝酸5mlを加えて煮沸せしめたのち、よくかき混ぜ、過量の硝酸銀を0.02Nチオシアン酸アンモニウム液で滴定する(硫酸第二鉄アンモニウム試液5ml使用)。同様の方法で空試験を行い補正する。
0.1N硝酸銀液1ml=27.082mg

参考資料

「コラルジル中毒症」新潟大学第三内科自治会(1971年11月06日)非売品
浜六郎「薬害はなぜなくならないか」-薬の安全のために-日本評論社(1996年)
(コラルジル中毒症―大量長期投与をあおった権威者の論文、P.34-56)
浜六郎/別府宏圀/坂口啓子編集「くすりのチェックは命のチェック」
-第1回 医薬ビジランスセミナー報告集-日本評論社(1999年)
(浜六郎、コラルジル薬害-慢性病に使う薬による薬害-P.70-71)
報告集PDF版(Webリンク有り)

その他

トリパラノール
ジレバロン
ロスバスタチン

動脈硬化のペニシリン”スタチン”の発見と開発―遠藤章先生に聞く、聞き手:代田浩之先生
「心臓」37巻8号P.681-698(2005年)、Meet the History
PDF版(Webリンク有り)

コラルジルは毒薬物「トリパラノール」と瓜二つ、浜P.38
フリーパスだった欧米の医薬品、浜P.40
「薬害」に手を貸す権威者の論文、浜P.42

トリパラノール、「心臓」P.687左
「シオノギ百年」塩野義製薬株式会社(1978年)

2009.05.11(月)再構成開始
2005.03.01(火)コラルジルとは、追加
2005.02.26(土)初出

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