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百ます計算

 2017/06/08 団塊の世代一代記
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百ます計算(100マス、百マス)とは、小学生に確実な計算力を身につけさせるために考え出された教材(指導方法)である。算数の授業冒頭に行う「百ます計算」(10分間)によって、児童のやる気と集中力を飛躍的に高めることができるという。(百ます計算の考案者は岸本裕史先生)

この百ます計算をはじめ、各学年の一学期序盤で一年分の常用漢字を習得してしまう「漢字の前倒し」など様々な工夫をして成果をあげたのが、元兵庫県朝来町立山口小学校教諭・陰山英男さんである。(山口小勤務は1989~2003年)

教室の様子は、2000年10月31日、NHK「クローズアップ現代」で紹介され大きな反響を呼んだ。

隂山英男(正式な表記)先生

陰山英男先生(1958年兵庫県生まれ)は、2003年4月から広島県尾道市立土堂(つちどう)小学校の校長として赴任した。広島県による全国公募の校長第一号である。広島県教委では陰山校長就任と同時に、陰山校長と一緒に働くことを希望する教員を県内から募集した。これも全国で初めての試みである。

広島県では校長の自殺が相次いだ。

1999年(平成11)2月28日朝には、卒業式を翌日に控えた県立高校校長(58歳)が自殺している。自殺の原因として「日の丸・君が代」をめぐる対立が取りざたされている。

2003年(平成15)3月9日昼過ぎには、民間採用の小学校校長(尾道市内、56歳)が校舎内で自殺している。

民間採用校長(元広島銀行東京支店副支店長)のケースでは、学校運営に悩み配置転換を希望していたという。会社における縦ラインによる意思の伝達とは異なり、教員の場合には、校長としての自分の考えを一人一人に直接伝える必要があり、意思の疎通に困難を感じていたとも伝えられる。

土堂小学校は、文部科学省の「新しい学校運営」を探る研究校の指定を受けている。当然のことながら、教員の意識改革もその対象となる。陰山先生の豊富な経験と若さで広島県教育界に風穴をあけてほしいものである。

陰山先生のその後:

2006年04月:新設の立命館小学校副校長に就任
(兼務、立命館大学教育開発支援センター教授)
2006年10月:政府の教育再生会議委員に就任(2008年01月まで)
(安倍晋三首相の諮問機関)
2008年10月1日、大阪府教育委員(非常勤)に就任(2012年から委員長(非常勤))
2015年3月末にて辞職。

なお、隂山先生の苗字は、一部の日本語環境では表示できない場合がある、ということなので、本ページでは「陰山英男」と表記させていただいております。

宿題(基礎学力の構築のために)

さて、山口小学校では、以前から宿題をしっかり出している。目安は学年×15~20分である。かなり多いと思う。しかしこうしないと学習時間が圧倒的に足らなくなる。今や先進諸国の中で一番勉強時間が少ないのが日本だという。

陰山先生の本で、「教育技術MOOK・計算プリント」(小学館)の紹介文には、”新指導要領で削減された計算力を取り戻し、中学以降の学習でもつまずかない学力をつける”、とある。おそらく次のような背景(新指導要領による”ゆとり”教育)を指しているものと思われる。

小学校の筆算(掛算)では小数点以下1桁までしか扱わない。したがって、例えば円周率3.14を使った掛算を筆算でやってはいけない。この場合、電卓を使用する。そして驚くべきことに、中学校でも小数点以下2桁以上の筆算(掛算)を勉強する機会はない、という。

読み・書き・計算(基礎)を徹底してやることで、かえって時間的”ゆとり”が生まれる。だから週5日制には賛成だが、週末の過ごし方は家庭や地域でそれぞれが工夫すべき、というのが先生のお考えのようである。百ます計算は、決して受験勉強のためにあるのではない。ゆるぎない基礎を築いてこそ次のステップも見えてこようというものである。

現在最も深刻なのは、実は子供たちの≪生物として生きる力そのものが低下している≫ことである。学力だけでなく子供たちの体力もまた同様に低下しているのである。今こそ学校、家庭そして地域が一体となり、子どもたちと共に自分たちの暮らしぶりそのものを見つめなおす時にきている。

陰山英男著「学力はこうして伸ばす! 」学研(2005年)

子どもたちの基本的な生活習慣の乱れが全ての原因だ(アマゾンレビュー)
アマゾンレビュー、akimasa21、2005/9/10

陰山英男先生(1958年兵庫県生まれ)は、2003年4月から広島県尾道市立土堂(つちどう)小学校の校長として赴任した。 広島県による全国公募の校長第一号として、40才台半ばの若き校長先生の誕生だった。

今でも担任を持ちたいという根っからの教師の彼は、新天地においても小学校1年生からのそろばん指導や、英語学習など新しい工夫を次々と実践に移している。

その彼が言うには、(現在教育界が抱えている)「すべての問題は、子どもたちの基本的な生活習慣が崩れていることからはじまっている」のだという。例えば「百ます計算」を、(テレビを見すぎて)寝不足のまま朝ご飯も食べさせないでやらせたら、(子どもたちだって)キレますよ、といっている。

健全な家庭生活が根本にあってこそ学校における教育が成り立つ。保護者にそのことを納得させる覚悟を教師が持つことができるかどうか、「教育改革は社会改革だ」ととらえる彼の実践に期待し、そして支持してゆきたい。

付録のCD-ROM(学力向上キット)には、彼が今まで実践してきたことのエッセンスが惜しげもなく公開されている。小学校全漢字プリント、百ます計算プリント、算数要点プリント、あるいは若き日の授業風景ビデオなど。付録がこれだけ付いてこの価格はお買い得だ。

参考資料

陰山英男著「読み・書き・計算」で学力再生(新訂増補版)小学館(2003年5月)初版第4刷
「百ます」校長就任二ヶ月、中国新聞2003年6月2日
陰山英男著「学力はこうして伸ばす! 」学研(2005年)

お詫び:2003年08月14日
陰山英男先生のご苗字表記を間違えておりました。
なお現在も正字をコンピュータ上で正しく表記できておりません。
以上、深くお詫びしますとともにお許しいただきたく存じます。

2007年03月14日(水)追記
Wikipedia(陰山英男)の本文から、正字(隂山英男)をコピーさせていただきました。ただし、一部の日本語環境では表示できない場合があるそうです。

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